ワーホリに必要な英語力は?英語が話せなくても大丈夫?渡航前の勉強法も解説

目次

ワーホリは英語が話せなくても行ける。ただし、英語力が低いまま働くのは厳しい

結論から言うと、英語がほとんど話せなくてもワーキングホリデー(ワーホリ)に行くこと自体はできます。

しかし、現地で英語を使って仕事をしたいのであれば、英語力が低いまま渡航することはおすすめしません。

仕事探しでは英語で履歴書を作成し、求人に応募し、英語で面接を受ける必要があります。採用された後も、職場では上司や同僚、顧客とのコミュニケーションに英語が必要です。

そのため、ワーホリ前には最低でも中学英文法を一通り学び直し、可能であればTOEIC600点・英検2級程度の英語力まで伸ばしておくことをおすすめします。

この記事では、実際のワーホリ経験者に関する調査や事例を紹介しながら、

  • ワーホリにどれくらいの英語力が必要なのか
  • 英語が話せないままワーホリに行くと何に困るのか
  • 現地で働くにはTOEIC何点くらい必要なのか
  • ワーホリ前にどんな英語学習をすればいいのか

について解説します。

「稼げるワーホリ」が話題になった一方、英語力は必要

“安いニッポンから海外出稼ぎへ” 〜稼げる国を目指す若者たち〜 / NHK クローズアップ現代

日本の賃金の数倍稼ぐことができる海外出稼ぎ(ワーキングホリデー)が、2023年頃から大きな話題になりました。

安定した職をも捨てて、若者たちが続々と海外に出稼ぎに向かう!オーストラリアの農場で働く男性は1日6時間の作業で月収50万円。

介護施設で働く女性はアルバイトを掛け持ちして9か月で270万円貯金、念願の大学院進学の準備が整いました。

背景には経済成長と同時に賃金を上昇させる先進国のトレンドに日本だけが取り残される現実が。さらに外国人労働者から見た日本の魅力も低下。安いニッポンで今、何が?専門家と共に考えました。

(放送された番組の記録)“安いニッポンから海外出稼ぎへ” ~稼げる国を目指す若者たち~ https://www.web.nhk/tv/an/gendai/pl/series-tep-R7Y6NGLJ6G/ep/91WJMLV4RN

日本で働くよりも待遇が良く、高い賃金を得られるのであれば、挑戦できる人はどんどん挑戦すればよいと考えています。

ただし、海外出稼ぎ(ワーキングホリデー)に行くのであれば、最低限の英語力を身につけてから渡航した方が、仕事の選択肢を増やし、現地でトラブルに巻き込まれるリスクも減らせます。

また、カナダのCo-op留学(学生ビザで学習しながら有給インターンシップに挑戦できる留学制度)も、海外で働くという点ではワーキングホリデーと共通する部分があります。

Co-op留学を検討している方も、本記事の英語力や事前学習に関する内容を参考にしてください。

「海外に住めば自動的に英語が話せるようになる」という魔法は存在しない。

すくすくそらまめ2 マイペース幼児とドキドキアメリカ滞在記より

アメリカに住んで
アメリカの食品食べて
アメリカの空気吸ったら
自動的に英語が話せるようにならないかなー
なりませんでした。

すくすくそらまめ2 マイペース幼児とドキドキアメリカ滞在記より

「英語が話せなくても、ワーホリで海外に行けば自然と英語が話せるようになる」と思っていませんか。

留学エージェントやワーキングホリデーのエージェントは、「海外にいけばなんとかなりますよ」「日本での事前学習の準備もいりませんよ」「フィリピン留学⇒オーストラリア留学の2カ国留学をすればなんとかなりますよ」といった甘い言葉を言うかもしれません。

残念ながら、そのような魔法は存在しません。

英語力が低い人ほど、海外に行く前に英文法・語彙・発音などの基礎を身につけておくことが重要です。基礎がない状態で海外に行っても、相手の英語を理解できず、自分が伝えたいことも英語で表現できないため、英語を使う機会そのものが限られてしまいます。

ワーホリに行く前にどこまで英語力を伸ばしておくべきか、具体的な目安と勉強方法は記事後半で紹介します。

参考Short動画: フィリピンの語学学校でも、オーストラリアの語学学校でも、初級者が英語力を伸ばすのはかなり厳しいです。

「7割くらいの留学生は英語が話せないまま帰ってきますよ。」

「ですから勉強は嫌いなので。向こうに行ったら自然と身に付くので」
「7割くらいの留学生は英語が話せないまま帰ってきますよ。」 

https://twitter.com/koalaenglish180/status/1385844551370219528

上記の漫画はオーストラリアで働かれている方が作成したようです。

「海外に行けば、生活しているうちに自然と英語が話せるようになる」と考えている人に対して、**「7割くらいの留学生は英語が話せないまま帰ってきますよ」**と指摘しています。

私がフィリピン留学で見ている範囲では、実は7割でも少なく、英語圏で数ヶ月を過ごした語学留学生の8-9割はまともに英語を話せるようにはなっていませんでした。

語学留学中には最初は頑張って他の国籍の生徒と交流しようとするのですが、結局英語力が低すぎて日本人だけと交流して終わる人が大多数でした。

ワーホリの場合、英語が話せないことは「英語力が伸びなかった」で終わる問題ではありません。仕事探しや英語面接、職場でのコミュニケーションにも直接影響します。

そして英語力が低いことで不当な扱いを受けている話も、ワーキングホリデーに関しては報じられています。

豪州「ワーキング・ホリデー」7割近くで最低賃金以下の報酬

ここでワーキングホリデーに関するショッキングなNHKニュースを紹介します。

就労ビザがなくても外国に滞在して働くことができる「ワーキング・ホリデー」が日本で始まってからことしで40年。日本からの渡航者は対象が23の国と地域に広がるにつれて増え、年間およそ2万4000人にのぼっています。

このうち半数近くを占めるオーストラリアでの就労状況について、渡航者の支援団体が経験者およそ200人に尋ねたところ、7割近くが最低賃金以下の報酬で働いたことがあり、このうち75%が雇い主への抗議などをせず泣き寝入りしていたことがわかりました。

(中略) 66%にあたる131人が最低賃金以下の報酬で働いたことがあり、このうち75%が「期間が決まっているので耐えられると思った」とか「仕事を失うことを恐れた」などとして雇い主への抗議などをせず泣き寝入りしていたことがわかりました。

また、雇用契約を結ぶ際契約書や同意書がなかったと回答した人が全体の39%、法律で義務づけられた給与明細を提供されたことがないと回答した人が28%にのぼるなど、日本からの渡航者が厳しい労働環境に置かれている実態が浮き彫りになりました。

(NHKのニュース 2020年1月27日より) 元記事は削除済み 

なんと、この調査ではオーストラリアでワーキングホリデーを経験した日本人の66%が、最低賃金以下で働いた経験があると回答しています。

しかも、そのうち75%は雇い主への抗議などをせず、泣き寝入りしていました。

「海外に行けば日本より高い給料で稼げる」「ワーホリならなんとかなる」という話だけを信じて渡航するのは危険です。

英語力が低ければ、雇用条件や契約内容を十分に理解できない、雇い主に不当な扱いをされても英語で抗議できない、仕事を失うのが怖くて泣き寝入りする、といった状況にも陥りやすくなります。

だからこそ、ワーホリでは「現地に行ってから英語を身につければいい」ではなく、渡航前にできるだけ英語力を身につけておくことが重要です。

「日本の5倍も稼げるワーホリ」

ワーキングホリデーを検討していて、留学エージェントやワーキングホリデーのエージェントに問い合わせた場合、こういったネガティブな話は聞くことが出来ないことが普通です。

留学エージェントの多くは、顧客を提携している語学学校などに紹介することで報酬を得ています。そのため、留学エージェントが勧めるプランと、留学生にとって本当に必要なプランが常に一致するとは限りません。

残念な話ではありますが、ワーキングホリデーや語学留学について、実態とかけ離れた期待を抱かせるような広告を出している留学エージェントもあります。

例えば下記の広告は、アンジー・清家のコンビで知られる「StudyInネイティブ英会話」を運営する留学エージェント、スタディーイン(StudyIn)が過去に出していたものです。

スタディーイン(StudyIn)は、「日本の5倍も稼げるワーホリ」という広告を出していました。

しかし、本当に日本の5倍も稼げるワーキングホリデーの人たちがどれだけいるのでしょうか。

少なくとも、先ほど紹介した調査で最低賃金以下の報酬で働いた経験があると回答した66%の日本人ワーホリ経験者は、日本の5倍も稼げていません。

そして興味深いことに、現在のスタディーイン(StudyIn)自身のワーキングホリデー向けページでは、英語力が低いままワーホリに行くと、働く先がほとんどジャパニーズレストランになり、英語力も伸びず、良い働き口も見つからない「稼げないスパイラル」に入ってしまうと説明しています。

つまり、「海外に行けば日本の5倍稼げる」という甘い話だけを信じて、英語力が低いままワーホリに行くのは危険です。

スタディーイン(StudyIn)はB’Cebuを勧める集客動画も問題発覚後に非公開

スタディーイン(StudyIn)については、フィリピン留学でも気になる事例があります。

2025年12月16日、スタディーイン(StudyIn)はセブ島の大規模語学学校B’Cebuについて、「セブ島最大級 フィリピン留学、正直B’Cebu知らない人は損してます #ビーセブ」という集客動画を公開していました。

動画では、B’Cebuを「魅力的すぎた!」と紹介していました。

しかし、その約2ヶ月後の2026年2月、B’Cebuでは日本人留学生を含む学生から、嘔吐・下痢・高熱などの症状や入院についての報告が相次ぎました。

そして、スタディーイン(StudyIn)が「正直B’Cebu知らない人は損してます」とまで言ってB’Cebuを勧めていたこの動画は、問題発覚後に非公開になりました。

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留学エージェントが勧めているから安心、人気YouTubeチャンネルで紹介されているから安心、とは限りません。

ワーキングホリデーでも語学留学でも、エージェントの広告だけを信じるのではなく、自分でも情報を調べて判断することが大切です。

そして、そのためにも英語力が必要です。英語が読めれば、日本語の留学エージェントが提供する情報だけに頼らず、現地の求人、雇用条件、口コミ、行政機関の情報などを自分で調べられるようになります。

オーストラリアで貧困者向けの炊き出しに並ぶワーホリの日本人が急増

「オーストラリアなら日本より稼げる」と言われる一方で、仕事を十分に見つけられず、生活に困窮する日本人の若者も出ています。

2024年には、オーストラリア・メルボルンで生活困窮者向けに無料で食料などを配布している場所に、日本人の若者が並ぶ様子がニュースで報じられました。

食料を提供している団体によると、物資を求めに来る日本人は前年から倍増していたとのことです。

実際にワーホリで滞在していた20代の日本人は、仕事はあるものの十分にシフトへ入れず、家賃を払うと生活がギリギリになると話していました。

また、オーストラリアには英語を母語とする国からも多くの若者がワーキングホリデーでやって来ます。

当然ですが、同じ仕事に応募した場合、英語をまともに話せない日本人と英語を母語とする応募者がいたら、日本人が仕事探しで不利になるのは当たり前です。

「英語が話せなくても、オーストラリアに行けばなんとかなる」「現地に行ってから英語を勉強すればいい」という考えでワーホリに行くのは危険です。

実際に、同じニュースでは英語力が低い日本人が仕事の面接で苦戦する様子も紹介されています。

参考Short動画: 【オーストラリアワーホリ】貧困者向けの炊き出しに並んでいる?

ワーホリの英語力が低い人たち、英語面接の様子

オーストラリア・メルボルンで、ワーホリ中の日本人が仕事を探す際に英語面接を受けている様子です。

日本人の現地マネージャーによる英語面接なので、とてもとても易しい英語を使ってくれています。具体的には、中学3年生までに学ぶレベルの英語表現です。

Can you tell me a little bit about yourself? Can you introduce yourself to me?

聞かれているのは、「あなた自身について少し教えてください」「自己紹介をしてもらえますか」という、英語面接ではごく基本的な質問です。

このレベルの英語でのやり取りが出来ないのであれば、100社応募してもまともに受からない可能性が高いです。

「ワーホリは英語が話せなくても行ける」というのは事実です。しかし、英語が話せなくても現地で英語を使う仕事に就ける、という意味ではありません。

参考動画: (7:53から)【現地取材】仕事探しに苦戦 !? 日本人の”ワーホリ生活” オーストラリアでの実態

ワーホリに行く日本人の英語力はどれくらい?

(ワーキングホリデーをした経験者より)
あとは少しでも英語の勉強しとけって昔の私に言いたい

ミニバン・ライフ・ホリデー ~車のおうちでニュージーランドの旅~ 第01巻より

ここまで、英語力が低いままワーホリに行った場合に、仕事探しや英語面接で苦戦する事例を紹介してきました。

では、実際にワーホリに行った人たちは、英語力が原因でどれくらい苦労しているのでしょうか。

近年のワーホリ経験者を対象にした調査を見ると、英語力不足によって苦労・失敗した人が非常に多いことが分かります。

ワーホリ経験者の97.2%が「英語力不足による苦労・失敗」を経験

ワーホリに行った人たちは、実際にどれくらい英語力不足で苦労しているのでしょうか。

2023年12月に、過去5年以内に英語圏でワーキングホリデーを経験した110人を対象に行われた調査では、97.2%が「英語力不足による苦労や失敗があった」と回答しています。

具体的には、

  • 何度もあった…29.1%
  • 数回程度あった…54.5%
  • 一度だけあった…13.6%
  • 一度もなかった…2.7%

という結果でした。

つまり、程度の差こそあれ、ワーホリ経験者のほぼ全員が英語力不足による苦労や失敗を経験していることになります。

さらに、英語力不足によって経験した苦労・失敗として、「想定よりお金を稼げなかった」60.7%、「人とうまくコミュニケーションが取れなかった」42.1%などが挙げられています。

また、95.3%が「英語力が給料に影響した」と回答しています。

「英語が話せなくてもワーホリには行ける」のは事実です。しかし、英語力が低いまま現地に行けば、仕事探し、収入、人間関係など、ワーホリ生活のさまざまな場面で苦労する可能性が高くなります。

出典:ビズメイツ「ワーキングホリデーに関する苦労/失敗調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000006561.html

渡航前に十分な英会話ができた人はごく一部

同じ調査では、ワーホリへ渡航する前の英語力についても調査しています。

  • 挨拶や自己紹介ができる…26.4%
  • 日常の身近な話題について簡単な受け答えができる…49.1%
  • 限られた話題で自分の意見を述べられる…11.8%
  • 幅広い話題で積極的に会話できる…10.9%
  • 複雑・抽象的な話題でも問題なく会話できる…1.8%

最も多いのは「日常の身近な話題について簡単な受け答えができる」の49.1%です。

一方、「幅広い話題で積極的に会話できる」まで到達していた人は10.9%、「複雑・抽象的な話題でも問題なく会話できる」はわずか1.8%でした。

つまり、多くの人が十分な英会話力を身につける前にワーホリへ出発しています。

そして実際にワーホリを経験した後、「渡航前にしておくべきだったこと」を尋ねた質問では、59.1%が「英語の勉強(主に読み書き)」と回答しています。

「現地に行ってから英語を勉強すればいい」と考えるのではなく、ワーホリに行く前にできる限り英語力を伸ばしておくことが重要です。

英語力に自信がないままワーホリに行く予定の方へ

「ワーホリには行きたい。でも、英語はほとんど話せない」
「中学英文法もかなり忘れている」
「英語力ゼロに近いけれど、海外で英語を学びたい」

という方は、英語力が低いままワーホリへ直行するのではなく、その前にフィリピン留学で英語の基礎を学ぶ方法もあります。

フィリピン留学の語学学校バックワイズでは、英語が苦手な初級者の場合、いきなり英会話ばかりをするのではなく、中学英文法・発音などの基礎から学び直します。

その上で、英文読解、リスニング、音読・暗唱、英会話へと進み、ワーホリ先で実際に英語を使うための準備をします。

「英語が話せないから海外に行く」のは構いません。ただし、英語力ゼロに近い状態で、いきなり英語圏で仕事を探すのはおすすめしません。

ワーホリ前にどれくらいフィリピン留学をすればよいのか、現在の英語力からどこまで伸ばせそうかについては、LINEでご相談いただけます。

▶ LINEでワーホリ前のフィリピン留学について相談する

▶ オンライン個別説明会でも、ワーホリ前のフィリピン留学について相談できます。

英語で仕事をするにはTOEIC何点から?

では、ワーホリで英語を使って仕事をするには、どれくらいの英語力が必要なのでしょうか。

一つの目安になるのがTOEIC L&R試験の点数です。

IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は、TOEIC600点について「使える英語の入り口」としており、「通訳をつけず一人で海外に行き、最低限の打ち合わせをしたい」という人がまず目標にしたい水準としています。

そのため、ワーホリで英語を使って仕事をしたいのであれば、まずはTOEIC600点を一つの目標にすることをおすすめします。

ただし、TOEIC600点あれば、オーストラリアやカナダのローカル企業や接客業で問題なく働けるという意味ではありません。

日本ワーキング・ホリデー協会のガイドブックでは、さらに高いTOEIC750〜800点程度(CEFR B2)について、「日常会話がきちんとでき、接客業で困らない」水準としています。

そして、この水準を「ローカルのお仕事するなら最低限このレベル!」と紹介しています。

つまり、ワーホリで仕事をするための英語力については、

  • TOEIC600点程度:英語を使って仕事をするために、まず目標にしたい水準
  • TOEIC750〜800点程度:現地の接客業など、英語を使うローカルの仕事を狙うのであれば到達しておきたい水準

と考えると分かりやすいです。

もちろんTOEIC L&R試験は「聞く・読む」能力を測る試験なので、TOEICの点数だけで実際の英会話力が決まるわけではありません。

しかし、十分な語彙・英文法・リスニング力がなければ、仕事で必要な英会話もできません。

「TOEICなんて取っても英語は話せないから意味がない」と考えるのではなく、まずTOEIC600点程度の基礎力を身につけ、その上で実際に英語を話す練習をすることをおすすめします。

ただし、英語をゼロから学び直す人にとって、TOEIC600点は簡単な目標ではありません。

そのため、英語が苦手な人は、いきなりTOEIC600点を目指すのではなく、まずは中学英文法を一通り学び直すことを最初の目標にしてください。

ワーホリ開始時にはTOEIC600点、英検2級に到達しておきたい(理想的には)

ここまで紹介してきたように、ワーホリは英語が話せなくても行くこと自体はできます。

しかし、「ワーホリに行ける英語力」と「現地で英語を使って仕事ができる英語力」は別物です。

実際に、先ほど紹介したワーホリ経験者110人への調査では、97.2%が英語力不足による苦労や失敗を経験していました。

そのため、時間に余裕があるのであれば、ワーホリ開始前にTOEIC600点、英検2級程度まで到達しておくことをおすすめします。

もちろん、TOEIC600点や英検2級を取得すれば、英語がペラペラになるわけではありません。しかし、この水準まで英語を学んでいれば、中学・高校英文法や基本的な英単語・英語表現を一通り学習しているため、現地で英会話を伸ばすための基礎ができます。

反対に、中学英文法も十分に理解していない状態でワーホリに行くと、相手が何を言っているのか分からない、自分が言いたいことを英文にできない、仕事の指示を理解できない、といった問題が起こります。

海外に行ってからゼロから英語を学ぶのではなく、日本にいる間に英語の基礎を作り、海外ではその英語を実際に使う。

これが、ワーホリを英語学習の機会として最大限に活かすための基本的な考え方です。

ただし、英語が苦手な人にとって、いきなりTOEIC600点・英検2級を目指すのは現実的ではありません。

そこで次に、現在の英語力とワーホリまでの準備期間に応じて、どこまで英語力を伸ばしておけばよいのかを具体的に紹介します。

(参考体験談)中学1年生レベルから学び直して、ワーホリ上位1割の英語力に到達

ノゾミさんは、中学1年生レベルの英語力から学習をやり直したワーホリ経験者です。

「海外に行けばなんとかなる」と考えてオーストラリアへ渡航しましたが、思うように英語力を伸ばせず、オーストラリア滞在中から日本人教師のオンラインレッスンを受講。中学英文法から英語を学び直しました。

その後、9ヶ月間のオンラインレッスンと3ヶ月間のフィリピン留学を経て、英検2級以上・TOEIC700〜750点程度、ワーホリをする人たちの上位1割程度の英語力まで到達しました。

ノゾミさん自身も、これからワーホリへ行く人に対して、日本にいる間から英語学習を始め、中学英文法だけでなく高校英文法まで学び、理想としては英検2級・TOEIC600点以上まで伸ばしておくことを勧めています。

「海外に行けばなんとかなる」という魔法はありません。英語力が低い人ほど、海外へ行くことを英語学習のスタート地点にするのではなく、日本にいる間から英語の基礎を身につけておくことが重要です。

▶ 関連記事:中学1年生レベルから学び直して、ワーホリ上位1割の英語力に到達したノゾミさんの体験談

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ワーホリ前に到達しておきたい英語力の基準

ここまで紹介してきた通り、ワーホリは英語が話せなくても行くこと自体はできます。しかし、英語力が低いほど、仕事探しや英語面接、現地での生活で苦労する可能性が高くなります。

そこで、ワーキングホリデーへ出発するまでに、どこまで英語力を伸ばしておけばよいのか。目安となる4つの目標を紹介します。

  • 事前に到達しておきたい目標1. 中学英文法の習得 ⇒ 最低限の英会話ができる
  • 事前に到達しておきたい目標2. 高校英文法までの習得 ⇒ 自分で英語の分からないことを調べられるようになる
  • 事前に到達しておきたい目標3. TOEIC600点以上・英検2級 ⇒ 仕事をするための最低限の英語力
  • 事前に到達しておきたい目標4. TOEIC800点以上・英検準1級 ⇒ 高度な英会話ができるようになるための基礎力

もちろん、全員がワーホリ前にTOEIC600点や800点まで到達できるわけではありません。

英語がほとんど分からない人は、まず中学英文法。時間に余裕があれば高校英文法。さらに準備期間を確保できる人はTOEIC600点・英検2級以上を目指す、というように、自分の現在の英語力と渡航までの期間に合わせて目標を設定してください。

事前に到達しておきたい目標1. 中学英文法の習得 ⇒ 最低限の英会話ができる

英語がほとんど分からない状態からワーホリを目指すのであれば、最初にやるべきなのは中学英文法の学び直しです。

英語力ゼロに近い人の場合、1日2〜3時間の学習時間を確保できれば、中学英文法を一通り学び直す期間の目安は約6ヶ月です。

ただし、ワーホリまで半年もないからといって、何もしないで出発することはおすすめしません。

中学1年生で学ぶ英文法だけでも、英会話で頻繁に使う基本的な文法が多数含まれています。 渡航まで2ヶ月程度しかない場合でも、中学1年生の範囲から集中して学び直すだけで、何も準備せずにワーホリへ行くよりも大きな違いがあります。

例えば、中学1年生レベルの英文法が怪しい人の場合、一般動詞とbe動詞を同時に使用するといった典型的な間違いも頻発します。

一般動詞とbe動詞は同時に使用しない

先ほど紹介したノゾミさんも、中学1年生レベルの英文法から学び直しました。

ノゾミさんの場合、中学1年生の範囲を約4週間で学習し、その後も学習を続けて約4ヶ月で中学英文法を一通り終了しています。

そして中学英文法を学び直したことで、以前は理解できなかったオーストラリアで実際に使われている英語も、少しずつ聞き取れるようになっていきました。

海外に行ってから英語に慣れることを期待するのではなく、海外で使われている英語を理解するための土台を日本にいる間に作っておく。

英語初級者の場合には、これがワーホリ準備の最初の目標です。

なお、すでに中学1・2年生レベルの英文法をある程度理解しており、中学3年生レベルから学び直せる場合には、2〜3ヶ月程度で中学英文法全体を復習できることもあります。

▶ 関連記事:中学1年生レベルから英語を学び直した学習体験談

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事前に到達しておきたい目標2. 高校英文法までの習得 ⇒ 自分で英語の分からないことを調べられるようになる

英語力ゼロの方の場合、1日2〜3時間の学習を続ければ、約1年間で高校英文法まで学び直すことができます。

ワーキングホリデーを検討している方には、可能であれば渡航前に「高校英文法までの習得」に到達することをおすすめします。

高校英文法まで学習すると、英文を読んだり英会話をしたりしたときに「自分は何が分からないのか」が分かるようになり、辞書や参考書、生成AIなどを使って自分で調べられるようになります。

また、will / would、can / could、may / might、must / should、助動詞+現在完了形など、高校英文法まで学ぶことで使える表現の幅が大きく広がります。相手との関係や状況に合わせて、英会話でもより的確な表現を選べるようになります。

実際に、バックワイズで学習したナコさんは、英語力が低い状態でオーストラリアへ渡航し、1年間のワーキングホリデーを経験しています。

当時は中学2年生で学ぶ受動態も十分に理解できておらず、高校英文法で学ぶSVOO・SVOCなども理解していませんでした。現地では、自分の言いたいことを満足に英語で伝えられず、接客中に相手の英語が分からなかったり、自分の英語が伝わらずにお客さんから怒鳴られたりした経験もあります。

そこで、2回目のイギリス・ワーキングホリデーへ行く前には、日本で12週間の事前学習を行い、その後4週間のフィリピン留学をして、中学英文法から高校英文法まで学び直しました。

ナコさん自身も1回目のワーホリを振り返り、もっと早く英語学習を始めていれば、「日本で高校英文法までの学習を完了し、フィリピン留学では英会話の練習をたくさんする」ことができたと話しています。

「海外に行ってから英語を勉強すればいい」ではなく、日本にいる間に英文法などの基礎をできるだけ身につけ、海外ではその知識を実際に使う。 その方が、限られたワーホリ期間を有効に使えます。

▶ 関連記事:オーストラリアで1年間のワーホリを経験後、2回目のイギリスワーホリに向けて高校英文法まで学び直したナコさんの体験談

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事前に到達しておきたい目標3. TOEIC600点以上、英検2級 ⇒ 仕事ができるようになる最低限の英語力

高校英文法を一通り習得している場合(TOEIC400〜450点程度)、TOEIC600点までは1日2〜3時間の学習で半年〜9ヶ月程度が目安です。

準備期間にある程度の余裕がある、またはもともとの基礎学力が高い方は、ワーホリ前に「TOEIC600点以上・英検2級」を目指しましょう。

TOEIC600点・英検2級程度まで到達すると、高校英文法を使った英文を読み、聞いて理解できる範囲が大きく広がります。また、比較的易しい表現であれば、自分でも英会話の中で使えるようになってきます。

実際に、オーストラリアでのワーキングホリデーを予定しているスズカさんは、英検3級相当・英会話未経験の状態から英語学習を開始しました。

いきなり海外へ行くのではなく、日本で17週間のオンライン事前学習を受講して英文法・発音などの基礎を固め、その後8週間のフィリピン留学で英会話・英作文の実践を行いました。

その結果、英検2級に合格し、TOEIC600〜700点程度の英語力まで到達しています。

フィリピン留学を開始した時点では英会話経験がありませんでしたが、日本で英文法と発音を事前に学んでいたため、留学当初から英語で意思疎通ができました。留学後には、SVC・SVO・SVOO・SVOCといった文型を理解しながら、自分で英文を組み立てられるようになっています。

スズカさんはフィリピン留学後も学習を続け、TOEIC700点に到達してからオーストラリアのワーキングホリデーへ出発する予定です。

先ほど紹介したノゾミさんも、中学1年生レベルから英語を学び直し、最終的には英検2級以上・TOEIC700〜750点程度まで到達しました。

2人に共通しているのは、「英語が話せないままワーホリへ行って、現地でなんとかする」のではなく、英文法・発音などの基礎を学び、TOEIC600点・英検2級以上の英語力を身につけてから海外で英語を使うという考え方です。

ワーホリまで十分な準備期間を確保できるのであれば、TOEIC600点・英検2級は目指す価値がある基準です。

▶ 関連記事:ワーホリ前にフィリピン留学|英会話未経験から英検2級、TOEIC600点相当になったスズカさんの体験談

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事前に到達しておきたい目標4. TOEIC800点以上、英検準1級 ⇒ 高度な英会話ができるようになる基礎力がある

TOEIC600点からTOEIC800点までは、1日2〜3時間の学習で9ヶ月〜1年程度が目安です。

TOEIC800点・英検準1級まで到達すると、語彙・英文法・英文読解などの基礎力がかなり高くなり、英語ニュースも自力で理解できるようになります。

下記は、実際にハルヨンのレッスンで使用しているニュース英語教材です。

題材は「円安で豪ワーホリ過去最多(WEAK YEN LURES JAPANESE TO WORKING HOLIDAYS IN AUSTRALIA)」。まさにこの記事で取り上げているオーストラリアのワーキングホリデーについてのニュースです。

 240718 円安で豪ワーホリ過去最多 WEAK YEN LURES JAPANESE TO WORKING HOLIDAYS IN AUSTRALIA

このニュースでは、円安を背景に、より高い賃金を求めてオーストラリアへワーキングホリデーに行く日本人が増えている一方で、全員が高い収入を得られているわけではないことが紹介されています。

さらに、メルボルン大学の大石奈々准教授は、日本人は低い賃金を提示されても交渉しないことがあると指摘したうえで、十分な語学力を身につけることを含め、事前にしっかり準備しておくことが重要だと述べています。

つまり、この記事でここまで紹介してきた「高い時給だけを見てワーホリに行くのではなく、渡航前に英語力を身につけておく」という話は、実際のオーストラリアのワーホリ事情とも一致しています。

もちろん、TOEIC800点を取れば自動的に英会話が流暢になるわけではありません。しかし、高度な英会話力を身につけるために必要な基礎力が十分にある状態になります。

ここまで到達するのが理想ですが、ごく一部の人しか到達できません。特に、英語が苦手な状態から独学だけでTOEIC800点・英検準1級まで到達するのはかなり難しいです。

実際に、先ほど紹介したナコさんがオーストラリアでワーキングホリデーをしていた際、同じ飲食店で働いていた日本人女性のモエコさんは、非常に高い英語力を身につけていました。

オーストラリアではモデルとしても働いていたモエコさん

モエコさん本人から聞いた話では、学生時代にTOEIC900点まで到達し、卒業後は外資系企業で勤務。その後、ワーキングホリデービザを取得できる年齢の上限間際、いわゆる「ギリホリ」でオーストラリアへ渡航しました。

ナコさんは当時、中学英文法も十分に理解できておらず、接客中にお客さんの英語が分からなかったり、自分の英語が伝わらず怒鳴られたりすることがありました。

一方、同じ職場で働いていたモエコさんは、お客さんと英語でスラスラと会話していました。 ナコさん自身も「今まで見たどの日本人よりも流暢に英語を話せていた」と振り返っています。

さらにモエコさんは、接客を通じて知り合った人から、別の仕事を紹介してもらうこともありました。

モエコさんは学生時代にフィリピン留学も経験しており、その際の英語学習カリキュラムを、現在バックワイズ・ハルヨンで学習カリキュラムを担当している柴田が作成しています。

英語力が高ければ、単に「ワーホリで生活できる」という段階を超えて、英語で人間関係を作り、仕事の選択肢や新しい機会を広げることができます。

TOEIC800点・英検準1級は、ワーホリ前の準備としてはかなり高い目標です。全員がここまで到達する必要はありません。

英語力ゼロに近い方は、まず中学英文法。時間があれば高校英文法。さらに準備期間を取れる方はTOEIC600点・英検2級。そして十分な時間と学習経験がある方はTOEIC800点・英検準1級。

大切なのは「英語が話せなくても海外に行けばなんとかなる」と考えるのではなく、現在の英語力と渡航までの期間に合わせて、日本にいる間から一段ずつ英語力を高めておくことです。

関連記事:オーストラリアで1年間のワーホリを経験したナコさんの体験談

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この記事を書いた人

Backwise共同代表(塾長)・学習カリキュラム担当。
「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」の著者。自らも英文法・発音のレッスンを日々提供しています。
フィリピン留学の世界に2012年から関わっています。

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