中学英語「難しくなりすぎ」の実態 苦手の子増え、学力差が拡大か – “自衛”のための学習が必要

小学校で英語科目が始まった影響で、中学1年生の英語科目が格段に難しくなっています。
中学に入学してすぐに上記画像のCanについての学習が始まる学校も有ります。
中学英語の学習量が以前よりも大幅に増えて、学習速度が速くなりすぎています。
現在の中学生の英語科目が抱えている問題点について記事にまとめました。
Short動画も有ります
この記事で書かれている内容の要点をShort動画にまとめました。
入学して間もない時期からcanの学習が始まる
「can」は以前は中1の終わりに習っていたが、入学間もない時期に扱うように。
高校で習っていた仮定法や現在完了進行形を中学で教えるなど、文法の学習事項が前倒しになっている。

Canは中学1年生が学ぶ英文法参考書の中盤以降に有ります。
このCanは「be動詞」「一般動詞」「否定文」「疑問文」「基本品詞(代名詞・形容詞・副詞・前置詞の理解)」を学んだ後に学ぶものです。
以前の学習カリキュラムでは中学1年の後半の時期に学ぶものでした。
中1英文法では”can”の学習の前に大きな山場が3つある
このCanの学習を始める前の学習で中学生が英文法の理解でつまずくポイントが大きく3つ有ります。
- be動詞と一般動詞の区別
- 3単現のS (3人称・単数・現在形のS)
- 疑問文の作り方。肯定文との違いを踏まえた上でどうやって作るか
この3つを小学校で理解している前提で授業が進むのです。
Canの疑問文は一般動詞の疑問文について分かっていないと理解できない
さらにCanの学習について深堀りすると、下記の一般動詞の疑問文の作り方が理解出来ていないと、Canの疑問文についても理解出来ないです。

こういった基礎知識が十分に定着していない状態で、中学に入学してすぐにCanについて教えても生徒がまともに理解できるとは到底思えないです。
これでは学習速度が速すぎて授業についていけない生徒が大量発生するのも納得です。
(参考)従来は高校英文法で学んでいた「現在完了進行形」「仮定法過去」を現在は中3で学びます。
仮定法過去が中学英文法に入っているのを初めて確認した時に、私自身かなり驚かされました。

仮定法過去は特殊な構文を使うため、なぜ”過去形”を使う必要があるのかを理解していないと全く知識として定着させられません。仮定法を理解することは普通の中学生にはかなり難しいと思います。
他にも、従来は高校英文法で扱っていた現在完了進行形も中学3年生で学びます。理解が難しい「現在完了形」について理解していない場合、現在完了進行形を学んでも頭の中でゴチャゴチャになってしまいます。

上記の参考書の画像はどちらも中学3年生向けの英文法教材に掲載されていたものです。英語科目は難しくなっていることが分かります。
覚える英単語の量が多すぎる
新指導要領で単語数が急増 実質2倍も
新指導要領で、中学で扱う単語は従来の1200語程度から1600~1800語に急増。20年度から始まった小学校の教科「外国語」では単語の暗記にはあまり時間を割かないため、生徒によっては小学校で扱う600~700語も実質的に中学校で覚える。場合によっては従来の倍以上の2500語を習うことになる形だ。
学習速度が速くなっているので、当然覚えるべき英単語の量も多くなっています。
これも学習法を工夫をすればこなせなくはない量ですが、従来型の机に向かって暗記したり、暗記カードを使って暗記するという学習法しか知らない場合にはかなり厳しいかなと思います。
大量の英単語・英語表現を暗記するためには、”耳”を使ったリスニング学習が必須です。
※下記はお勧めできない”時代遅れ”の学習法です。

日々のリスニング学習時間 ”0分”
学校の英語教材にはQRコードが付き、気軽にリスニング学習ができるようになりました。
耳からの学習(リスニング学習)を取り入れられれば、増えた2,500語の英単語・英語表現について学ぶことは可能です。
ただし、現役の中学生・高校生に訊いてみると、このQRコードはほぼ全く使っていないようです。
そのため日々のリスニング学習の時間が「0分」の生徒が大多数です。
(過去に書いたリスニング時間「0分」に関する関連記事)

塾や家庭教師について学んでいる生徒との間に差が広がっている
一方、私の教え子の中学生・高校生も含めた、教育熱心な塾や家庭教師について学んでいる学生であれば、1日1時間のリスニング学習を通学時間にこなしています。
リスニング学習の指導がされた生徒であれば、英文を暗記する際に必ずリスニング音源を聴きながら”耳を使って”英文を覚えながら、英単語・英語表現を覚えます。
下記画像はリスニングアプリ(画面左)と教科書(高校2年生の英語教科書)の画像を取り込んだGoodNotes(画面右)をiPadで併用している場面です。
従来の英単語帳を黙々と読み込む学習形式と比べると、英文の暗記効率は文字通り数倍どころか、数十倍違います。
書き込んだ発音記号を見ながらリスニング学習をすることで、発音についての理解も深められます。

(実際にレッスンを受けられた高校2年生のムギさんの日本でのオンラインレッスンとフィリピン留学の体験談はこちら)

発音の知識も当然”ゼロ”
言わずもがなですが、リスニング学習が満足に出来ていないので発音に関する教育も当然行われていません。
例えば、中学1年で学ぶ”a lot of”を”アロットオブ”と読みます。発音の知識がある生徒であれば絶対このように読みません。
a lot of をむりやりカタカナで書いたら ェァラッットゥアブッになります。発音記号は下記になります。

英検準1級レベルで、分詞構文や仮定法過去完了といった難易度が高い英文法について熟知している学生でも、発音に関する知識が全くないのは珍しいことでは有りません。
具体例を1つ挙げると、日本人が苦手だと散々言われている”R”の発音ができる学生は本当にわずかしかいないです。
Rの発音をする際にはちゃんと口を半開きにしながら、舌を折り曲げられていますか?

基本の母音すら知らない
本当に基本的な発音の知識すらない場合、日本人の特殊な発音について知っている相手としか英会話が成立しません。
例えば下記の基本母音を区別せずに発音していると聞き手は混乱してしまいます。
æ, ə, ɚ, ɔ
英語発音に学ばれた人は知っていますが、これらは最初の最初に学ぶ母音です。
これらについての知識がなければ、英会話で苦労するのは当然ですが、英語の聞き取りについても大きな制約が課されることになります。
英検2級や英検準1級に受かっている生徒でも、bagとbugを正確に区別して発音できないことがあって驚かされます。
実は中学英語はそこまで難しくないし、学習量もこなせない量ではない
ここまで現在の中学英語は難しくなったぞ、という話をしてきました。
でも、実は正しい学習方法を知っている人からしたら、そこまで難しくもなっていないし、学習量もこなせない量ではないです。
実際フィリピン留学・バックワイズで中学英文法の学び直しをする場合には、知識がゼロからでも中学1年生の範囲であれば、3~8週間で一通り終わらせることが出来ます。
(3週間で中学1年生が学ぶ英文法の範囲を終わらせた方の体験談)

これは英語学習について熟知している指導者の元で、「適切な学習法に従って」、「適切な難易度の教材を使用し」て初めて可能になることです。
現状の学校教育でも同様のことが実現可能かと思います。
現状では学校の英語教育について行くのための”自衛”が必要
ただし、学校の英語教育だけではまともな英語力は身に着けられないのが現状ですので、”自衛”する必要が有ります。
中学1年生になってすぐに”can”について教えられてもまともに理解できる生徒はごく少数しかいないです。
塾や家庭教師などであらかじめ学習している生徒しかついていけないでしょう。
こんなにも速いペースで学習を進めているようでは、英語嫌いの生徒を量産するだけです。
私自身は改善案が山程思いつくのですが、日々英語嫌いな生徒が生まれ続ける現状を歯がゆく思います。
(参考記事)

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