「1日1時間の学習でも英語が驚くほど伸びる!」 – 「時短学習」を売りにした詐欺的な広告に要注意

「時短学習」を売りにした詐欺的な広告に要注意
SNSで英語学習に関する広告を見ていると、うんざりするくらいに詐欺的な広告が頻繁に登場してきます。
英語学習の専門家から見て「この広告の宣伝文句をそのまま信じてはダメだろう…」と思えた広告についてまとめました。
この記事で紹介している詐欺的な広告を出している英語教育サービス企業がまともな教育サービスを提供しているとはとても思えません。そのため読者が詐欺的なサービスに引っかからないように、注意喚起の意味でこの記事を作成しました。
また記事後半では悪徳商法に引っかからないために、悪徳商法に共通する「インスタント(即座・即席・すぐに出来る)」のコンセプトについて紹介しています。
詐欺的な広告
最初に紹介するのは明らかにレッドカード。こんな明らかな嘘な広告をよく出しているなと呆れる広告で、もちろんその広告内容をそのまま信じてはいけない詐欺的な広告です。
たった20時間だけでTOEIC平均195点アップの実績も!

この広告は極めて悪質です。
TOEIC LR試験の点数を100点伸ばすのには通常200-400時間は学習時間が必要です。195点のスコアアップを狙うのであれば、この倍の時間、400-800時間の学習時間が必要です。
そういった大変な苦労をしたくない人向けに「20時間で195点伸ばせる!」というありえない広告を出しています。
まともにTOEIC LR試験の試験対策をした人であれば、全く再現性のないありえない点数の伸び方だと分かります。


「1日1時間で英語力は伸びる!」 ※ただしどれほど伸びるかは明言しない
「1日3時間の勉強は大変すぎる…」と考えている方々に対しては下記のような「時短学習」を売りにした広告が表示されて、そしてついついクリックしてしまうかもしれません。


これら「時短学習」を売り物にしたSNS広告の例です。
しかしながら、1日1時間の英語学習を半年続けても英語力はほとんど伸びません。
こういった「時短学習」を売りにした広告は詐欺的な広告ですので、引っかかってはダメな広告です。
不誠実な語学学校・語学スクールでは「1日1時間の学習でも英語力は伸ばせる」といった「時短学習」を売り物にしていますが、そのような短期間で劇的に英語力を伸ばすことが出来る「時短学習」は存在しません。
英語教育に一度でも真摯に向かいったことがあれば、こういった「時短学習」が実現不可能なことは知っています。
(時短学習に関するTwitter投稿)…これも何度も書いてますが、小学校低学年でアメリカに移住した子供でも、英語が完全に追いつくのは家庭教師をつけて10年後です。大人がちょっと齧って30日でペラペラのわけないでしょ。
https://twitter.com/NYCenglessons/status/1450478207686397953
こういった広告では具体的にどれだけ英語力が伸びるのかが明言されていないのが狡猾だなと思います。
1日1時間の英語学習をすれば英語力はたしかに伸ばせます。驚くほどは英語力は伸びませんが。
「3ヶ月でアメリカ駐在できる英語力になれました。」
こちらは「1日1時間で英語力が伸ばせる」よりもさらにひどい広告。

日本で働きながら英語学習を3ヶ月する場合、毎日3時間の勉強をしても100時間弱の学習時間しか確保出来ません。
現地で1日中英語に囲まれた生活を送っても3ヶ月ではほとんど喋れるようにならないのに、わずか100時間の学習でアメリカ駐在が出来るまでの英語力は身に付けられないです。
「学習開始時点の英語力」「3ヶ月のサービス受講後の英語力」の両方が書かれていないのが問題です。これでは「3ヶ月のサービス受講でどれだけ英語力を伸ばせたのか」が一切分かりません。
サービス開始前後を比較する事例として、フィリピン留学・バックワイズの事前学習サービスを受講された方の体験談と比較します。
開始時点の英語力: 中学英文法(中2レベル)から学習開始
6ヶ月の受講終了時に使用していた教材: 高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版、5文型・時制・受動態まで終了。写真は後半に出てくる仮定法過去完了の基礎となる過去完了形・大過去について
(参考・バックワイズの事前学習体験談)中学英文法から英語を学び直し、長年の英語アレルギーを解消されたYukiさん
「学習開始時点の英語力」「3ヶ月のサービス受講後の英語力」の両方が書かれていない広告は情報が不足しているため、適切なサービス内容かどうか判断できない、ということを心に留めておきましょう。
PROGRITを半年受講した令和ロマン・くるまさん、初歩的な発音を間違える
その後、PROGRITは令和ロマン・髙比良くるまさんを起用した広告でも、「VERSANT17点(中学3年生レベル)→45点(高校3年生レベル)」という大幅なスコアアップを紹介しています。
しかし、この広告について詳しく確認すると、かなり気になる点がありました。

くるまさんは慶應義塾大学文学部に入学した経歴があります。それにもかかわらず、学習開始時のVERSANTは17点。これは中学3年生程度とされる極端に低いスコアです。そして半年間PROGRITを受講して到達した45点も、元慶應生という経歴を考えると、手放しで「英語力が大きく伸びた」と評価できる結果なのか疑問が残ります。
さらに問題なのが発音です。広告動画では、半年間の受講後にも honest や most といった初歩的な英単語を正しく発音できていませんでした。
発音の間違い: honest の発音を「オーネスト」と誤って発音。正しい発音は /ˈɑː.nɪst/

しかも、くるまさんは一般の受講者ではなく、PROGRITの広告塔として起用された有名芸能人です。広告に出演してもらう以上、PROGRITとしても英語力をできるだけ伸ばし、成功事例として見せたい受講者だったはずです。優秀なコンサルタントをつけるなど、少なくとも一般受講者より悪い条件で受講していたとは考えにくいでしょう。
それだけ恵まれた条件だったと考えられる有名人の成功事例ですら、半年後に honest や most という初歩的な英単語の発音ができていません。これを見て、PROGRITで英語そのものを教えるレッスンを受けないまま、本当に英語力が伸びるのかという疑問を持ちました。
むしろ広告塔として選ばれた成功事例がこの結果なのであれば、一般の受講者はなおさら、「高額な受講料を支払うことで、具体的にどの英語力を、どこまで伸ばしてもらえるのか」を契約前に確認した方がよいでしょう。
英語学習サービスの広告を見るときには、「28点アップ」「2年4ヶ月の海外留学に相当」といった派手な数字だけを見るのではなく、「どこからスタートして、最終的にどの程度の英語力になったのか」「実際に発音・英文法・英会話はどこまで改善したのか」まで確認する必要があります。
令和ロマン・くるまさんのVERSANT17点→45点というPROGRITの広告については、実際の広告動画や発音も含めて、下記の記事で詳しく検証しています。
▶ 関連記事:慶應中退・令和ロマン髙比良くるまの「VERSANT17点(中3レベル)→45点(高3レベル)」は本当にすごい?PROGRIT広告を検証する
6日間の合宿でTOEIC100点アップを目指す!
次は具体的な数字が入っているけれど、実はほぼ達成不可能な目標が書かれている広告。

「6日間の合宿でTOEIC100点アップを目指す!」
⇒仮に1日10時間の勉強をした場合、6日間で60時間になります。
60時間でTOEIC100点アップが可能かというと無理です。ざっくりとした目安でTOEICは100点アップさせるのに、少なくとも200-300時間の学習が必要だからです。
もちろん中には「大学入試対策などを通じて基礎学力がすでに十分あるが、TOEIC試験慣れしていないので本来の実力よりもかなり低い点数になっている」というような点数アップ直前の人もいるかと思います。こういう方は可能です。
ただ、大多数の普通の参加者は100点アップは無理です。
また、この広告も「学習開始時点の英語力」「3ヶ月のサービス受講後の英語力」の両方が書かれていないし、「TOEIC100点を上げられる根拠となる情報」が不足しているので、適切なサービス内容かどうか判断できません。
(参考)TOEIC100点を上げるために想定される学習時間
| 【TOEIC LR試験 100点を上げる勉強時間の目安】 |
|---|
| 200点から300点 ⇒ 300〜400時間 ※英語力ゼロの状態から開始する場合、さらに時間がかかります。 |
| 300点から400点 ⇒ 300〜400時間 ※345点以下の方はさらに時間がかかる可能性有り。 |
| 400点から500点 ⇒ 250〜300時間 |
| 500点から600点 ⇒ 250〜300時間 |
| 600点から700点 ⇒ 250〜300時間 |
| 700点から800点 ⇒ 500〜600時間 |
| 800点から900点 ⇒ 500〜600時間 |
(補足)…専門家の指導がなく独学で学習計画を立てた場合、ほとんど確実に迷走して無駄な時間を使うことになります。
独学では不適切な学習方法、不適切な学習参考書の使用が頻繁に発生します。迷走する場合、この表で書かれている時間の1.5~2倍はかかる可能性が有ります。
たった3ヶ月でTOEICを200点以上(アップ)。(TOEIC)800点の壁を越えたい。
こちらも1つ前の広告と似たような内容の広告。

たった3ヶ月でTOEICを200点以上(アップ)。(TOEIC)800点の壁を越えたい。
これはTOEIC600点開始で3ヶ月でTOEIC200点アップさせて、TOEIC800点を突破するという広告でしょうか。
この学習目標はかなり実現困難な目標です。
3ヶ月ですと、1日3時間の勉強を30日続けて90時間。そして90時間×3ヶ月=270時間です。
ざっくりとした目安でTOEIC600点からTOEIC800点に上げるまでに必要な時間は「750時間~900時間」です。
270時間の学習では学習時間が全然足りないので、TOEIC600点からTOEIC800点に上げるのは無理です。出来る人は1,000人に1人くらいはいるかもしれませんが、大多数の人には無理です。再現性はないと言えます。
すでに述べたように、「大学入試対策などを通じて基礎学力がすでに十分あるが、TOEIC試験慣れしていないので本来の実力よりもかなり低い点数になっている」というような点数アップ直前の人だと3ヶ月でTOEIC200点アップは可能です。ただ、こういう人は数百人~1,000人に1人くらいの割合でしかいません。
「短期間で劇的に伸びる」ではなく、現実的な英語学習計画を知りたい方へ
英語学習では、「3ヶ月で200点アップ」「1日1時間で英語力が劇的に伸びる」といった派手な広告よりも、現在の英語力から目標まで、何を、どの順番で、どれくらい学ぶ必要があるのかを知ることが重要です。
資格学習だけで終わらない、実際に使える英語を学ぶオンライン英語学習塾「ハルヨン」では、現在の英語力と目標を確認したうえで、中学・高校英文法、英文読解、発音など、必要な学習内容を先生が設計し、授業で直接教えます。
「短期間で劇的に伸びる」といった都合のいい話ではなく、目標達成までに必要な学習内容と学習時間を現実的に考え、そのうえで英語力を伸ばしていきます。
「英語学習サービスの広告を見ても、どれを信用すればいいのか分からない」「自分の英語力なら、何をどれくらい勉強すればいいのか知りたい」という方は、LINEまたはオンライン個別説明会からご相談ください。
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微妙なラインの広告
詐欺的とまではいかないけれど、次に紹介するのは必要な情報が欠けている広告です。
必要学習時間50%削減

「必要学習時間 50%削減」とありますが、具体的な数字がないので微妙です。いったい何と比較して50%削減なのかと。
「目標が何で」「その目標達成に本来何時間必要であるか」の情報がほしいです。これらの情報が欠けている状態で「50%削減」と言われても意味が分かりません。
採用率0.68%の選びぬかれたプロの英語コーチ

「採用率0.68%の選びぬかれたプロの英語コーチ」採用基準が不明確なので、これでは優秀なコーチが在籍しているか不明です。
こういった社内のデータは自分たちで自分たちでいくらでも操作できるので、そういう点でも微妙です。
まともな内容の広告
ここまで詐欺的な広告ばかりでしたが、ではまともな広告はどういうものかも見てみましょう。
2ヶ月でTOEICスコアを100点以上あげる方法

すでに述べたように、ざっくりとした目安でTOEICは100点アップさせるのに、200-400時間の学習が必要です。
1日3時間の学習を2ヶ月続ければ、勉強時間は「1日3時間×2ヶ月=180時間」です。
英会話・英作文や発音学習などを切り捨てて、TOEIC試験対策に特化してこの180時間を使えば、100点アップは十分実現可能です(楽ではないですが)。この広告は嘘を言っていないです。
プレゼンスはこの記事を書いている筆者と考え方も似ているので、おかしな広告を出してくることはありません。
詐欺的な広告に引っかからないためにどうすれば良いか。
悪徳商法に共通するのは「インスタント(即座・即席・すぐに出来る)」
悪徳商法に共通するのは「インスタント(即座・即席・すぐに出来る)」であることです。
「インスタント」とはどういうことかというと、「これさえすれば大丈夫。短期間であなたは苦労することなく変われる」というものです。
この記事冒頭で紹介した詐欺的な広告にはこの「インスタント」な要素が入っていることが分かることでしょう。
まずは「極端な時短」を前面に出している広告には注意しましょう。
1日1時間の英語学習で英語力が劇的に向上することは決してありません。TOEIC LR試験の点数も1-2週間頑張ったからといってそこまで一気に点数は上げられないです。
「インスタント」とは真逆の広告…3ヶ月で750時間の勉強
ではここでさらに「インスタント」とは無縁な広告を紹介します。
「3ヶ月の語学留学でTOEIC200点を上げて、マンツーマンレッスンで英会話・英作文が出来るようになる」という学習カリキュラムを売り文句にしているフィリピン留学・バックワイズ。
この広告も一見すると「3ヶ月」という短期間で成長できるので「インスタント」に思えるかもしれません。
ただし、この3ヶ月の留学期間に750時間の勉強をする必要が有ります。平日は1日10時間、土日も8時間勉強して1週間あたり58時間。それを13週間続けると750時間の勉強時間※を確保出来ます。
※(勉強時間に関しての補足)フィリピン留学・バックワイズはTOEIC試験対策に加えて、英会話・発音矯正のレッスンも加わっているため、TOEIC試験対策に特化した語学学校よりも学習時間が多くなっています。
下記は750時間の学習を超えて、4ヶ月のフィリピン留学で1,000時間以上の学習をし、TOEIC450点⇒TOEIC730点 ※280点アップ を実現された方がこなした教材です。

このように1日1時間の勉強を2年間行った場合(1時間×365日×2年=730時間)を上回る英語学習を3ヶ月の圧縮した期間に行います。ここまですることによって初めて短期間に英語力を高めることが出来るのです。
1点補足すると、日本の生活環境とは異なりフィリピン留学では家事をする必要がないので、この平日1日10時間もの学習が可能になっています。

広告を見る際には、その広告で書かれていることが本当に可能かどうかも常に確認するようにしましょう。例えば、TOEIC200点アップさせるためには少なくとも400-600時間※の学習時間は必要です。
そもそも1日1時間程度の学習で英語ができるようになるのであれば、英語が出来る日本人はもっともっとたくさんいるはずです。
「時短学習」のような楽して結果が出る「インスタント」な方法はないので、この記事で紹介したような詐欺的な広告に引っかからないように注意下さい。
「楽して短期間」ではなく、本当に英語力を伸ばしたい方へ
英語力を伸ばすために、魔法のような「時短学習」はありません。
一方で、ただ長時間勉強すればいいわけでもありません。現在の英語力を把握し、目標に必要な学習内容を正しい順番で学び、必要な学習時間を積み重ねることが重要です。
ハルヨンでは、一人ひとりの英語力と目標に合わせて、先生が「何を、どの順番で、どこまで学ぶのか」を設計します。
中学・高校英文法、英文読解、発音などを日本人教師の授業で理解し、理解した英文を繰り返し音読・暗唱します。さらにフィリピン人教師とのマンツーマンレッスンで、学んだ英語を実際に使います。
また、フィリピン留学のバックワイズでは、留学してから基礎英語をゼロから学ぶのではなく、日本でのオンライン事前学習から英文法・英文読解・発音などの基礎を身につけ、フィリピンでは学んだ英語を実際に使うことを重視しています。
「広告ではなく、自分の英語力に合った現実的な学習計画を知りたい」「TOEIC L&R試験や英検の点数だけでなく、実際に使える英語力を身につけたい」という方は、LINEまたはオンライン個別説明会からご相談ください。
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